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『ハンガーゲーム』に出演したサイボーグとして生きる女優エンジェル・ジェフリア

DIGITAL CULTURE
ライター高橋ミレイ
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エンジェル・ジェフリア(Angel Giuffria)は、『ハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス』に出演したアメリカの女優で、自らをサイボーグだと称している。彼女が他の女優と違うのは、Steeperが開発した最先端のバイオニックアーム「bebionic3」を装着しているという点だ。

彼女は生まれつき手がない先天性切断者で、世界最年少で(生後4カ月)筋電義手を装着した人物でもある。幼い頃から演技に関心を持ち、演劇学校に通っていたジェフリアは大学で心理学を学び、その傍らで演劇の裏方仕事をしていた。当時の彼女にとってそれは、趣味の延長だったという(via AXSChat)。

しかし、2011年に60人の候補者から抜擢され『グリーンランタン』のエキストラに出演したことをきっかけに、彼女は大学を卒業後、タレントエージェントに所属した。彼女がその頃使っていた装飾用義手は、人間のそれと似せた形で、彼女の先天的な障害を隠すという意味合いが強かった。オーディションの時には、それをさらに目立たないようにするため長袖の服を着て臨んだという。

しかしあるときSteeper社のロボティックな義手に出会ったことが彼女の転機になった。同社の義手は、着用者の腕の筋肉の動きに反応して動作し、小さな者を手に取ったり卵を割るなど繊細な指の動きもできることで話題になった。「とても機能的でクールだったわ!」とジェフリアは喜んだ。彼女のVineには、bebionic3を装着した状態で鍵を拾う様子が掲載されている。

それを機に、彼女の目標は他の健常者に近づくことではなく、ハンディキャップをもふくめた個性を活かして仕事をすることに変わった。

2015年に彼女は、インディーズの映画に主役で出演。その後、ベン・アフレックの映画『ザ・コンサルタント』(日本公開は2017年1月21日)へのキャスティングが決まった。

彼女に与えられた役はロボティクス・ラボの被験者だ(via IMDb)。「オーディションはライバルもいたけれど、Vineに載せた動画も助けになって配役が決まったわ」とPopular Scienceのインタビューに対して彼女は語っている。

coaptのバイオニックアームをテストするエンジェル

バイオニックアームをふくめた医療テクノロジーは、ハンディキャップ故の不便さを軽減して日常生活を過ごしやすくする役割も当然ながらある。だが、エンジェルはbebionic3と出会ったことで、ハンディキャップを彼女にしかないクールな個性に変えることができた。彼女はこのようにもコメントしている。

私は自分が変わっていることが好き。自分の義手が好きだし、バイオニックアームが好き。「サイボーグ」って呼ばれることもね。

だから私はいつもサイバネティックアームみたいなクールなテクノロジーを求めているわ。つまらない生身の腕よりも、よ(笑)