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アート・科学・テクノロジーが融合するモスクワの「EARTH LAB」展

ARTS & SCIENCE
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ライター塚本 紺
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約3カ月間にわたってモスクワで開催されてきた展示会「EARTH LAB」が終わりを迎えようとしている。6月22日から9月25日、モスクワの科学技術博物館(Polytechnic Museum)とオーストリアのアルス・エレクトロニカ・センター(Arts Electronica Center)の共同プロデュースで行われたこの催しは「アートとテクノロジーの融合」が、表現活動における実験的な試みであることに留まらず、それらが我々の日常生活に接近してきていることを気付かせてくれる。

「EARTH LAB」には2013年から2015年にアルス・エレクトロニカ国際アワードを受賞した作品が一堂に会している。「現代社会における革新的なアイデアをもたらすのが芸術家である」というコンセプトに違わず、それらの作品からはアーティストの目線というフィルターを通した、我々の近未来が色濃く見える。

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大きく写し出された参加者の顔にアニメ風の顔がオーバーレイで投影されると、「こんなアプリある!」とつい言って立ち止まってしまいそうだ。アートと日常に浸透したテクノロジー、エンターテイメントの境界線はすでに曖昧になりつつある。

他にもミキサーと電子レンジを使ってハエの幼虫から豆腐のような食物を作る装置(閲覧注意)や、葉緑体と絹たんぱく質を使って光合成ができる素材を作ろうとする試みなど。「アーティストがイノベーションをもたらす」というコンセプトに沿ったさまざまな作品が展示されている。

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Ursula Neugebauer (独)

この展示では赤いドレスを着た人形が、コンピューター制御されたモーターによってグルグルと回っている。それぞれの物理的な構成要素を分解すると、機械と繊維でしかないものが、集合して動くことで、まるで人間のダンスアンサンブルのような躍動感を作品に与えている。

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こちらのスライドショーをクリックすると展示の一部を見られる。スペースの寸法を測った直後にその寸法データを消去する装置といった抽象的なものから、地雷を探知して安全に爆破できる装置のように実用的なものまで、幅広いジャンルの作品を制作するアーティストたちが参加している。

つい10年ほど前であれば「テクノロジーとアートの融合」といったテーマの展示には、どこかSFめいた抽象的な作品が並ぶことも多かった。しかし「EARTH LAB」展に展示された作品からは、テクノロジーとアートが相互に影響を与え合う関係になっていることが伝わってくる。

BLOUIN ARTINFOのレポートによる「EARTH LAB」の参加者一覧は、こちら。

ART SAT (日本), ::vtol:: (ロシア), Búi Bj. Aðalsteinsson (アイスランド), Sonja Bäumel (オーストリア), Massoud Hassani (アフガニスタン/オランダ), Cornelia Hesse-Honegger (スイス), Dmitry Bulatov and Alexey Chebykin (ロシア), Julian P. Melchiorri (イタリア/イギリス), Kono Michinari / Takayuki Hoshi / Yasuaki Kakehi (日本), Yulia Glukhova (ロシア), Ursula Neugebauer (ドイツ), Leo Peschta (オーストリア), STAIN (ロシア), Finnbogi Pétursson (アイスランド), Vadim Kolosov (ロシア), Shinseungback Kimyonghun (香港) and Marek Straszak (ポーランド).