坂本龍一の「違う側面」展覧会に行ってきた

ARTS & SCIENCE
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坂本龍一+真鍋大度《センシング・ストリームズ 2023-不可視,不可聴》(ICC ヴァージョン) 2023
Photo: 照沼健太

ミュージシャンではなく、音を扱う「アーティスト」として。

音楽家・坂本龍一さんを追悼する展覧会「坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア」が、東京・初台のNTTインターコミュニケーション・センター [ICC]にて開かれている。

2023年3月28日に逝去した坂本氏は、テクノポップバンドYMOのメンバー、ソロアーティスト、映画音楽の作曲家など幅広い肩書きを持つ音楽家だったが、この展覧会は「メディア・アーティストとしての坂本龍一」にフォーカスした企画となっている。

キュレーションを務めるのは、ICCの畠中実さんとライゾマティクスの真鍋大度さん。

生前から坂本氏と関わりの深かった彼らのキュレーションを通して展示されているのは、坂本氏が遺した演奏データと生成AIを組み合わせたインタラクティブ作品や、国内外の親交の深かったアーティストが坂本氏と共作した作品など。

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坂本龍一+真鍋大度《センシング・ストリームズ 2023-不可視,不可聴》(ICC ヴァージョン) 2023
Photo: 照沼健太

そして、これまでのメディアアート活動のアーカイブだ。

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毛利悠子《そよぎ またはエコー》(部分を「坂本龍一トリビュート展」のために再構成)※部分 2017/23
Photo: 照沼健太
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Dumb Type + Ryuichi Sakamoto《Playback 2022》2022/23
Photo: 照沼健太

これらの作品を通して、「YMO」「戦場のメリークリスマス」「ラスト・エンペラー」といったパブリックイメージの向こうに見える、坂本龍一氏のもうひとつの側面が見える。そんな展覧会となっている。

遺作となったアルバム『12』を筆頭に、晩年の音楽作品にはメディアアート的な要素が強まっていたこと、氏が常に最新のテクノロジーに興味関心を寄せていたことを考えれば、本展が提示する坂本龍一像が、もしかしたらこれから先の未来にある「坂本龍一」となるのかも。

そんなことを考えながら、静かでとても豊かな時間を過ごすことができる展覧会だった。

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李禹煥 《遥かなるサウンド》 2022
Photo: 照沼健太

ちなみに『12』のアルバムジャケットのアートワークに使用された、アーティスト・李禹煥によるドローイング 《遥かなるサウンド》も展示されていて、これは必見。


坂本龍一トリビュート展
音楽/アート/メディア

会期:2023年12月16日~2024年3月10日
会場:NTT インターコミュニケーション・センター [ICC] ギャラリーA
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階
開館時間:11:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、ビル保守点検日(2月11日)
料金:一般 800円 / 大学生 600円 / 65歳以上・高校生以下無料