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「Burning Man」はボーイング747を砂漠のアートに変える

ARTS & SCIENCE
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FUZE編集長Yohei Kogami
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ネバダ州のブラックロック砂漠で毎年開催するアートフェスティバル「Burning Man」は、世界で最も奇妙なアートイベントだ。至るところにそびえ立つ、人型や動物、建物をモチーフにした巨大なアート作品の非現実的さに、訪れる人は喚起し感嘆の声をあげる。だから、ここでは存在感ある巨大アートを演出することが、クールさの象徴だ。

そして今年は、巨大な航空機「ボーイング747」をアート作品にしたいと考えるクリエイター集団がいる。「747プロジェクト」という名のプロジェクトを立ち上げた非営利団体Big Imagination Foundation(以下Big Imagination)だ。

ボーイング747をBurning Manのアートにする一大プロジェクト02

747プロジェクトは、Burning Man史上最大の「アート・カー」インスタレーションとなる予定だ。長さ約42m(135フィート)、幅約20m(64フィート)ある1985年製のボーイング747ジャンボジェットの残骸は、外観以外は中から完全リノベートされ、内装も外装も未来的なアートスペースに改造される。プロジェクトは、元NASAのエンジニアやボーイングのエンジニアから、建築家、航空会社の職員まで、さまざまな人がボランティアで参加する100人以上のコミュニティで運営され、それはまるで、かつてジャンボジェットが与えてくれた夢や感動を蘇らせるようである。

ボーイング747をBurning Manのアートにする一大プロジェクト04

Burning Man期間中、747ジェットは機内でさまざまなスピーカーを招いたイベントをファーストクラスで開催する。それに加えて、アートや音楽のショーケース、パーティーやライブを楽しむ会場となり、訪れた人が架空の旅を楽しめる体験を提供していく予定だそうだ。

ボーイング747をBurning Manのアートにする一大プロジェクト05

747プロジェクトは、このアート・カー制作のため、Indiegogoでクラウドファンディングを行った。497人から集まった資金は目標額を上回る約890万円(86,551ドル)と嬉しい結果だった。

さて、ここで一つ問題がある。集まった資金は、巨大ジャンボジェットをBurning Man会場まで車移動させるために使われる。その移動距離は実に900kmもある。しかしIndiegogoで集まった金額で運べるのは、機体上部のみ。つまり車輪や羽を含む機体下部を運ぶ資金まで残っていなかったのだ。

ボーイング747をBurning Manのアートにする一大プロジェクト03

747プロジェクトは、2017年のBurning Manに向けて再度クラウドファンディングを行う予定があることをすでに発表した。そして来年こそは機体下部をネバダの砂漠に運び込み、747アート・カーの全貌を披露する前向きな計画を目指している。したがって、今年のBurning Manではこのジェットは砂漠の上に置かれたウォークイン・アートスペースとしか機能しない。

とはいえ、このプロジェクトが改造した747ジャンボジェットを、訪れる人はアートとテクノロジーが変形したアート体験として喜んで迎えてくれるだろう。なにしろ、巨大化アートを作ろうと実現不可能に思える発想こそが、Burning Manに集まるクリエイター・コミュニティをつなげているからだ。ジャンク化した飛行機をアートスペースとして価値を再発見した、ちょっと変わった視点と勇敢な実行力がそれをすでに証明してくれているはずだ。

なお今年のBurning ManはYouTubeでストリーミング中継されている。