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5Ars Electronica Festival 2016

監視カメラの映像にコメントするサイト『Exhausting a Crowd』はアートか、ディストピアの入り口か?

DIGITAL CULTURE
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ライター渡邊徹則
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市民の安全を守り、犯罪を抑制する効果があるといわれる、監視カメラ。イギリスのロンドン市内には数百万台が設置されているとされ、「1日歩くだけで300回撮影される」といわれるほどだ。

確かに安全性は高まる反面、プライバシーの問題は常につきまとう。現在のところ、ロンドン市民は前者を選択しているようだが、それに異を唱える者が出てきても不思議はない。

オーストリアのリンツで9月8日〜12日に開催された「Ars Electronica Festival 2016」(アルス・エレクトロニカ・フェスティバル)で展示された、『Exhausting a Crowd』は、ロンドン中心街やアムステルダムに設置された監視カメラの映像に、勝手に落書きができるWebサイトだ。

ユーザは画面上の気になった人物やものをクリックし、好きなテキストを付与することができる。

現代社会を揶揄か、単なるジョークか。監視カメラに映った人々に落書き

そんな格好の獲物をネットユーザーたちが見逃すはずもなく、『Exhausting a Crowd』には毎秒多くの書き込みが見られ、その様子は大喜利さながらの様相を呈している。

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「北が上だよな?」「これ、パリの地図じゃない」

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この人、ズボン履いてません。

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(Tinderにも飽きたなぁ...)

このインタラクティブなサイトを制作したのは、コードを使って作品を生み出すメディアアーティスト、カイル・マクドナルド(Kyle McDonald)だ。フランス人作家のジョルジュ・ペレック作、主人公が通りすぎる人や車の関係性を書き留めるという短編『An Attempt at Exhausting a Place in Paris』にインスパイアされたこのプロジェクト。

はたして、監視カメラ社会を揶揄した風刺なのか、それとも単なるジョークか。