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『Rez Infinite』のArea Xが描く宇宙に、開発者の水口哲也は泣いている

DIGITAL CULTURE
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ライターabcxyz
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人間の想像力には制限がない。いつの時代も、想像力の足枷となるのはテクノロジーの限界だ。『Rez Infinite』では、ようやく技術の限界が人の想像力に追いついてきたことで、当初思い描かれていた真の姿を表現することができたようだ。

映像表現と音楽表現をゲームプレイと融合させた革新的なゲーム『Rez』。2001年にPlayStation 2とドリームキャスト向けに、2008年にはXbox 360で『Rez HD』として発売された作品が、PS VRローンチタイトル『Rez Infinite』として帰ってくる。1080p、60fps、3Dオーディオ対応、さらにVR対応と進化を遂げたシリーズ最新作は、ただ単にこれまでの作品のリマスター版では終わらない。新たに追加されたステージ「Area X」で描かれるのは、これまでのフレームで構成された電脳世界の海とは違うもの。その新しい世界はまるで煌めく星々や銀河。そしてプレーヤーは粒子の宇宙に囲まれながら漆黒の宇宙を漂い、光と音に満ちた空間を飛び行く。

Enhance Gamesによる『Rez Infinite』の「Area X」トレーラー。新たに無数の粒子(パーティクル)を用いた表現が可能になったことで、『Rez』でありながらも全く異なる情景が描かれている。この表現は『Rez』の続編ともいえる『Child of Eden』(Xbox 360、PS3)とも異なる。しかし、これは制作を指揮するデームデザイナー水口哲也が常に思い描いていた作品の姿だった。

Ars Technicaで水口はこう語っている。

新しい『Rez』とは何か? 大量の粒子を作ることができるように、粒子を音楽や音と共に動かすことができるようになりました。色を聴くことができるようになったわけです! 粒子は互いに混ざりあう...これが僕が常に作りたいと思っていたものなのです。しかし、実現するまで長い間待たなければなりませんでした。ようやくUnreal Engineのようなテクノロジーを使うことで可能になり始めたのです。

水口が思い描いていた作品が、現代のハードの性能によりようやく可能になったわけだ。こうしてテクノロジーの進化が水口の想像力に追いつくことでようやく実現された『Rez』の真の姿は、もう一つ別のテクノロジーの恩恵を受けることも可能になっている。それが『Rez Infinite』で可能になったVRへの対応だ。

Rez Infinite Area Xトレイラームービー

PlayStation公式チャンネルが公開した『Rez Infinite』のデビュートレーラー。リマスターされた過去のステージもVRに対応しており、プレイヤーが頭部を動かすことで視点方向が変わることで、より高い没入感を得られることだろう。「Area X」ステージではそれに加えて、電脳宇宙を好きな方向へと「漂う」こともできる(従来のステージでは移動方向を自ら決定することができない、いわゆるレール式シューティングだった)。

制作者の想像力に作品が追いつき、音と光の洪水を主観性がより増したVRで体験することで『Rez Infinite』が達成した一つの頂は、"感動による涙"だ。VR版『Rez Infinite』の「Area X」ステージをプレイしたArs TechnicaのSam Machkovech記者は涙を流した。彼の言葉を借りればそれはこういう体験だった。「僕は泣いた。そのヴィジュアル言語と、その世界に浮かび流れていくのを制御ができていると同時に制御できない感覚が、脳みその感情中核の何かに触れるようで、いまだ完全に理解できないんだけれども、それでもその感情は否定するのが難しかった」。そしてVRヘッドセットを取ったMachkovech記者はその体験を水口に語った。人々に感動を与えられる作品を作った時に、クリエイターが得ることのできる一番の報酬は、作品を見て感動する人々を目にすることだろう。

僕はいつも泣いています。今日も泣くんです

開発チーム外の人々が『Rez』の新章をプレイする様子を見る経験について、彼(水口)はそう語った。