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VRは早くも前衛アートの世界へ。不条理で妖しい世界に酔え

DIGITAL CULTURE
ライター渡邊徹則
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ゲーム、映画などすでに多くの作品が登場しているVRの世界。その領域は、ついに前衛アートの世界にまで広がってきた。

Surge」という作品でVR業界を驚かせたのが、Arjan van Meertenというオランダ人クリエイターだ。彼が同作を発表したのは、VRを使って何ができるのか、何をすべきかを世界中が手探りしていた2015年の初め頃なのだから、その先進性がうかがえる。

Surgeは、アメリカの半導体大手AMDがスポンサーを務めるVRアワード、The Proto Awardsや、KaleidoscopeVRなどで受賞した作品だ。不可思議で艶めかしい映像と、彼自身が作った曲の競演は、観る者の心に不思議な後味を残す。

Meerten自身は、House of Secretsというアニメーションスタジオの共同創業者で、主にCMや映画などを手掛けてきた人物。11年に渡って数々の作品を残してきた彼が、現在最も意欲的に取り組んでいるのが、VRによる映像芸術というわけだ。

そんな彼が発表した待望の新作が、「APEX」。わずか40秒程度のティザーではあるが、妖しく赤い天体の表面を反射しながら、静脈のように波打つ金属的な物体など、Surgeとはひと味違った雰囲気を漂わせている。

Meertenによると、抽象的だったSurgeとは異なり、APEXはよりリアリティに寄せた作品になるとのこと。VR界に現れた最初のアーティストの1人、Arjan van Meertenの活動を引き続き追っていきたい。