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ターンテーブルよ、永遠に。Red Bull Music Academyの360°動画で見る、レコード再生機の魅力

DIGITAL CULTURE
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FUZE編集長Yohei Kogami
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スマホで見て欲しい。

再び人気に火がつき、その魅力が再評価されている「アナログレコード」。かつて手にした懐かしさや、全く経験していない新鮮さが、デジタルにはないメディアとしてその存在を引き立てる。今ではアナログレコードの生産が追いつかないほど世界中のプレス工場のマシンは稼働しているという。

もう一つの楽しみといえば、多彩なターンテーブルの種類。Technicsがかつて人気を博した業界スタンダードのSL-1200シリーズを復活させた「「SL-1200GAE」を発表したと思えば、ソニーやオーディオテクニカ、AKAIなどオーディオメーカーがこぞって新モデルを発表する勢い。さらにパイオニア、ローランドなどクラブミュージック・シーンでおなじみのブランドからも製品が発売し、アナログの波に迫っている。

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この現代に蘇ったメディアとガジェットの関係は奇妙なほど美しい。レッドブルが世界中で展開する音楽の学校「Red Bull Music Academy」が公開した、ターンテーブルの回路と仕組みを3Dの360°動画で紹介するサイト「Anatomy of a Turntable 360°を見ると、直感的な操作の裏側には、数多くの見えないパーツと機械工学のメカニズムが凝縮されているのが見て取れる。その姿はもはやアートとサイエンスの域であり、見ている者を飽きさせない。

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サイトでは、各パーツの名称から機能が番号順に紹介され、再生した時の動きが緩やかな3D動画となって表示される。画面はインタラクティブな仕上がりで、スマホやPCの画面に表示されるターンテーブルを指やマウスでなぞれば、360°のローテートや、ピンチインやピンチアウトでパーツのズームが実現する。

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「トーンアームの仕組み」や、針の動きまでを精細に描いた360°動画は、写真やイラストに比べて、調和の取れた各パーツが多角的に表示し、これまで見えてこなかったターンテーブルの驚くほどスムーズで規則正しい動きを浮かび上がらせる。アナログレコードは、メーカーやブランドが変わっても、時代が変わっても、大凡の操作手順が変わらない。アップデートされる度に操作や規格が変わる現代のテクノロジー郡では、各パーツの役割が決まっている、珍しいガジェットと言える。

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レコードを聴く行動は、一見すると、「ただのビニールの円盤に刻まれた溝に小さな針を落とせば音がでるだろう」と簡単に思えるほど、。実際に音を再生するターンテーブルがどんな回路を内包しどのように駆動しているか、知っている人はどれくらいいるだろうか?

音楽の形態はストリーミングやハイレゾ、さらには動画、VRまで、技術の進化に合わせてどんどん変化し、複雑化している。しかしターンテーブルは、USB出力やBluetooth連携など現代テクノロジーが内蔵されるモデルも増えたが、用途は昔から変わっていない。進化を急ぐだけがテクノロジーの在り方ではないかもしれない。不完全ながらも時代を越えたターンテーブルは、進化の速度に頭を悩まされる現代人にそう語りかけているような気がする。