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DNAの螺旋からデザインが決まるチタン製判子「HANCODE」

IDEAS LAB
フリーライター武者良太
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世界に1つだけ、というワードがあふれる昨今だが、ハンコヤドットコムが手がける「HANCODE」はその枕詞が似合う。

まさかの、オーダーした人のDNAを解析。各要素を象徴する図形をデザインするというのだから。

ヒトのDNAが持つA、T、G、Cの塩基からなる約32億個の塩基対。バイトに換算すると約800MB。このデータ量をすべて使うわけではないが、そこから生まれるデザインの多様性は類をみないことになるだろう。

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実際には「社会性」「慎重性、繊細性」「勤勉性」「協調性」「開放性、文化性」といった5つのデータをピックアップ。

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ポジティブかマイナスか、そのデータの差異でデザインは変わり、さらに変化・合成して独自のデザインパラメータが編み出される

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素材はロケットや飛行機のジェットエンジン、また人工関節や人工心臓にも使われる軽量かつ高強度な純チタン。DNAの螺旋をイメージするべく、持ち手の部分は2重螺旋となる。

0.01mm単位の高精度な加工機で切削を行なうのは、チタン加工のプロ集団・ヤマウチマテックス株式会社のチタンマイスターたち。いつまでも輝きを失わない存在として自分のDNAと名を残し続ける。

判子、として。

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やや揶揄ってはみたが、このプロジェクトはとても面白い。判子の文化がある日本だからこそ作ることができるプロダクトに、日本のものづくりの根幹をなす精緻なマニュファクチュアリングが活用されるのだ。

プロトタイプ版の価格は遺伝子検査費用を含み、6万9800円。200名限定となる。