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Netflix、Spotify、YouTube...ストリーミング時代、あなたの選択が環境破壊になりうる

DIGITAL CULTURE
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ライター塚本 紺
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ビデオと音楽のストリーミング・ビジネスは驚くほどの勢いで成長し、既存のビジネスモデルを次々に破壊しつつある。ストリーミングを視聴して育った世代からの人気アーティストも生まれてきており、世界レベルではもはやCDやDVDが主流の視聴方法に戻ることは無さそうだ。

CDやDVDとは違い、ひとつひとつのメディアの製造もいらず、パッケージや店舗への配送もいらないことから考えると、環境に優しいエンタメ消費のように思えるストリーミング。しかしやり取りするデータ量は非常に大きく、当然、大量の電力を使用している。

recodeのレポートによると、アメリカではブロードバンド通信の70%がビデオのストリーミングに使われているという。日本でも、総務省の調査によるとインターネットの利用目的(複数回答可)に「動画投稿・共有サイトの利用」をあげている人は50%を超えており、テレビでインターネット接続しビデオ・オン・デマンドのコンテンツや投稿動画をテレビで視聴する家庭の割合も毎年増加している(via 総務省 平成28年 PDF)。

メディアや梱包の製造や廃棄、配送の問題は無くなっても、大量のエネルギーをどうやって供給するかは大きな環境問題として残っているのだ。そんな中、国際的な環境保護NGOグリーンピースは各ストリーミングサービス企業が公開しているデータを元に「クリーンエネルギー成績表」を発表した。

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image: 塚本 紺 / データ出典:Greenpeace USA, Clicking Clean 2017

それぞれのプラットフォーム企業が再生可能エネルギー源を利用しているか、またエネルギー源を公表してるか(エネルギーの透明度)、化石燃料エネルギーの利用に関してどのような計画を持っているか、再生可能エネルギーにどれくらい投資しているか、そしてクリーンなエネルギーを企業として提唱しているか、といった判断基準から成績がつけられている。細かい項目の成績はこちらのPDF(ストリーミング企業は10ページ)を見てほしい。

最高のA評価を受け取ったのはYouTube。Googleは購入するエネルギーのうち再生可能エネルギーの分量を2025年までに3倍に増やすと公表しているなど、データの透明度やクリーン・エネルギー政策の提言などでも高いスコアをおさめたようだ。

ただ電力源の割合だけが評価基準ではない。Netflixは温室効果ガスの排出量のデータを定期的に公表していない点、再生可能エネルギーに対するポリシーが何も出されていない点などが大きな減点対象となったようである。レポートによるとすでに北米のダウンロード・トラフィックの1/3がNetflixのものであり、急速な拡大に応じたクリーン・エネルギーの採用が望まれる、と書かれている。

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image: 塚本 紺 / データ出典:Greenpeace USA, Clicking Clean 2017

なぜインターネット企業のクリーン・エネルギー政策が重要なのだろうか。ただ大企業には社会責任がある、というだけではなく今後の産業構造の変化が視野に入っている。

もしもデータセンターやその他のデジタル・インフラが100%再生可能なエネルギーによって運営された場合、今後さらに増加するインターネットへの依存が、再生可能エネルギー中心の経済への移行も加速させてくれるだろう。

これから電気利用量の大部分を占めることになる業界だからこそ、クリーンエネルギーの普及が大事だということのようだ。

週末についつい海外ドラマを全シーズン見尽くした、なんて経験があるだろうか。少し視点を変えれば、どのプラットフォームを利用するかによって、私たちの「イッキ見(ビンジ・ウォッチング)」が環境にどれくらい優しいかが変わってくるということだ。

#音楽の敵、音楽の味方

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