イランから亡命、テクノロジーと「音」の哲学者アッシュ・クーシャが東京へ。9月18日「キマイラ #BRDG」
ARTS & SCIENCEAsh Koosha(アッシュ・クーシャ)は、イランのテヘラン出身、ロンドン在住のアーティストだ。

テヘラン音楽院で学び、1979年のイラン革命以降のポップやロックといった西洋的な音楽が禁止されたイランで、仲間とインディ・ロックバンドTake It Easy Hospitalを結成し、アンダーグラウンドで活動した。24歳のとき、彼はある映画に出演したことがきっかけでイギリスに亡命する。
その映画とは、2007年に公開された『No One Knows About Persian Cats』(日本では2010年に公開。邦題『ペルシャ猫を誰も知らない』)。彼、アシュカン(アッシュの本名)とバンドメンバーたちを中心に、自由を抑圧されたイランの音楽を愛する若者たちとそのアンダーグラウンドシーンを(国に無許可で!)ゲリラ撮影したドキュメンタリー映画だ。
Bahman Ghobadi(バフマン・ゴバディ)が監督したこの映画は、2009年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門で特別賞を受賞した。インディペンデントによれば、そのPRのため、アッシュたちは6カ月有効のアーティストビザでイギリスへ入国。しかし滞在中にバンドの仲間がイランで拘束されたことを知り、彼らはそのままイギリスで亡命を申請することになる。
僕はこう思ってた。「もっと周波数について深く考えるべきなんだ。ただチェロやピアノを弾いているだけじゃなく」。僕は「音」を追究したかったんだ
Take It Easy Hospitalはその後もロンドンで音楽活動を続け、アッシュはプロデューサーとしてより電子的な音楽を作り始める。
彼は2015年にアルバム『GUDD』をリリース。エレクトロニック・ミュージックと彼の出会いについて訊かれ、アッシュはピッチフォークのインタビューでこう語っている。
Pitchfork: テヘラン音楽院で学んでいたころ、エレクトロニック・ミュージックに触れる機会はありましたか?
アッシュ: いや、コンピューター・ミュージックについてはほとんど勉強したことがなかった。でも音の物理学的な側面について学ぶことはあったよ。だから僕はこう思ってた。「もっと周波数について深く考えるべきなんだ。ただチェロやピアノを弾いているだけじゃなく」。僕は「音」を追究したかったんだ。「音楽」として作ったり構成したりすることよりもね。
そして2016年、『GUUD』からわずか8カ月後、アッシュはアルバム『I AKA I』をリリース。その2カ月後には、より攻撃的な音を凝縮したシングル『Faint』を発表した。
『I AKA I』 ― I As Known As I
止まることのないクリエイションと進化。その理由として感じられるのは、アッシュの純粋な「探究心」だ。
彼の音楽を「Flying LotusやArca的だ」と評したピッチフォークは、アッシュの『GUUD』の制作についてこう記している。
「量子物理学や粒子や物質といったナノテクノロジーについての本を読んでいたら、音を物理的な物体としてとらえるようになったんだ」とアッシュは語った。彼がその「音」を電子顕微鏡で覗くと、音はギザギザに並んでいて「普通じゃない幾何学模様」になっている。この想像が彼の新たな曲作りのモデルになった。
そして彼は『I AKA I』も、『GUUD』と同じく、「音」について追究したアルバムだとDazedに語っている。そして、このアルバムは「人間とテクノロジー」の関係にどう向き合うかを追究したものだとも。
テヘランのクラシック音楽学校から、アンダーグラウンドのロックミュージシャンへ、そしてロンドンでサイエンスとエレクトロニック・ミュージックを融合させるアーティストへとさまざまなバックグラウンドを吸収し、常に自分の手で道を切り開いてきたアッシュ・クーシャ。
彼の「音」への哲学が生み出す最新のサウンドをぜひ体感したい。
「キマイラ BRDG#7」日時: 9月18日 (日) Open:16:00
会場: WWW X
主催: BRDG
チケット: 前売¥3,500(ドリンク代¥500別)/ 当日 ¥4,000(ドリンク代¥500別) peatix / e+
LINEUP: Ash Koosha/Aïsha Devi/DE DE MOUSE/食品まつり a.k.a foodman/Radical Hardcore Clique/Tomggg ft. ボンジュール鈴木/DUB-Russell
VJ: Daihei Shibata/Keijiro Takahashi/Emile Barret/HEXPIXELS with 北千住デザイン/大橋史 with kazami suzuki
PA: AO

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