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制約こそが創造の源。コンセプトアーティスト、ジャニス・チューの挑戦

IDEAS LAB
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エディター高橋ミレイ
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ジャニス・チューはカナダのバンクーバーを拠点に活動をするコンセプトアーティストだ。映画やゲームの世界観をビジュアライズするコンセプトアートは、制作スタッフの間で作品の世界観を共有するために重要な役割を持つ(具体的な作業プロセスなどはCGWORLDのこちらの記事が分かりやすい)。

彼女は他の多くのコンセプトアーティストと異なり、最初からアートやデザインで生計を立てることを目指していたわけではない。Sheridan College入学当初の専攻はコンピューターサイエンスだったが、わずか1学期で挫折。理由は「数学が苦手だったから」(むしろ、なぜ入ろうと思ったのか...)。その後、専攻を変えてアニメーションを学んでいくうちに、自分のやりたい仕事はゲームのコンセプトアートだと気がつき、独学でそれを学んだ

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ゲーム開発会社Digital Extremesに入社した後は、『Halo 4』のフィールドマップのコンセプトアートや、『Star Trek』のコンセプトアート、SFシューティングゲームの武器デザイン、UIアイコンなどビジュアルデザインに関わる仕事に広く携わった。

その傍らで描く『パワーレンジャー』(日本の特撮『スーパー戦隊シリーズ』の英語圏でのローカライズコンテンツ)のコミック版の表紙や、海外フォーラムや個人サイトで発表するファンアートや個人的な作品が評判になる。

ジャンルを横断して縦横無尽に仕事をこなすジャニス・チューは、一体どのように発想をしデザインを構築していくのか? The Vergeからの取材に対して、彼女は次のように答えている。

広大なゲームフィールドのコンセプトデザインを考えるのと、小さなアイコンを作るのは、一見すると、ぜんぜん違う仕事に見えるかもしれませんが、私にとっては、それほど大きな違いはありません。どちらにしても、ビジュアルをデザインすることですし、主題という骨に肉付けをしていく作業という点で共通しています

The Vergeより引用

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現在、VFX制作会社アニマル・ロジックに在籍している彼女は、LEGO ムービーから超大作映画まで多くのプロジェクトに携わることができる。

プロジェクトごとにルールや制限がありますが、その制約こそが発想の源になります。それぞれ驚くほど求められる思考方法が違いますから。でも、それは楽しいことですし、素晴らしいことだと思います。

The Vergeより引用

また、彼女は「いつか『ゼルダの伝説』のように、たくさんの人の記憶に残るゲームを作るのが夢です」とも語っている。実際に『Knight Hood』というタイトルのファンタジーを数人のチームで制作しているが、個人や少人数の開発チームがインディーズゲームを出すのが珍しくなくなった今、彼女の夢が実現する日はそう遠くないだろう。