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2 デジタルとフィジカルを超える

後藤映則『toki-』:3Dプリントされたゾートロープに光を投射すると...

IDEAS LAB
ライターmayumine
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なんだか吸い込まれる。ずっと見ていたくなるような。一見、白い輪っかの塊にしか見えないが、光を投射すると、命が吹き込まれたかのように切り取られた時間が再生される。

光のアニメーションと表現したくなるこの作品は、メディア・アーティストの後藤映則によるインスタレーション『toki-』で、YouFab 2015の受賞作品でもある。

立体物を回転させてアニメーションを表現するという手法は、古くはゾートロープ、いわゆる回転のぞき絵のアイデアで、パラパラマンガを筒の内側に1つ1つ配置して、筒を回転させて穴から覗くと、パラパラ漫画がアニメーションで見られる...という仕組みはシンプルなもの。

後藤氏自身が解説する制作プロセスは以下の通り。

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2次元の時間軸から3次元に起こし、3DCG化させて、時間軸をモーフィングで繋げ、3Dプリント。それを回転台の上にのせてプロジェクターで光をあてる。

現代ならではのテクノロジーが組み合わさることで生まれたメディア・インスタレーションだ。光を当てることで、時の移ろいを視覚化している。「時と動きの関係を探求する」のだそうだ。

また、この『toki-』は、2016年5月に開催された第17回スパイラル・インディペンデント・クリエーターズ・フェスティバルでは準グランプリを獲得している。

note:「YouFab Global Creative Awards 2016」はロフトワークがスポンサーをつとめており、本ライターはロフトワークの所属です。

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