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9 #海外ドラマは嘘をつかない

現代社会批評としての『ネオヨキオ』——「トランプ政権以降の世界」に対するヴェンパイア・ウイークエンド=エズラ・クーニグからの奇妙な問いかけ

DIGITAL CULTURE
コントリビューター辰巳JUNK
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ゼロ年代を代表するNo.1ロック・バンド、ヴァンパイア・ウィークエンドのフロントマン、エズラ・クーニグがアニメ作品のクリエイターを務め、Netflixで世界配信? 「次作は『ミツビシ・マキアート』というタイトルになるだろう」とすでに数年前に予告されていながら、前作『モダン・ヴァンパイアズ・オブ・ザ・シティ』以来、自らのバンドの作品は4年もリリースされていないのに? そんな驚きが飛び交ったのが2017年9月のことだ。

大方の日本の視聴者からは「意味不明の謎の作品」として受け止められたに違いない『ネオ・ヨキオ』は、ポップ・ミュージックとアニメという形式こそ違えど、ヴァンパイア・ウィークエンド同様、エズラ・クーニグ固有の作家性が刻まれた作品だった。

ヴァンパイア・ウィークエンドといえば、ポスト・コロニアルの時代にあって、あえてアフリカ発祥のアフロ・ポップとバロック音楽を組み合わせたサウンドを提示し、賛否両論を巻き起こしたバンド。と同時に、裕福な白人の象徴であるプレッピー・ファッションに身を包み、そのリリックにはポップ・カルチャーからの無数の引用を散りばめることで、受け手に対してさまざまな問いかけをしてきたバンドでもある。そうしたエズラの問題意識と志向性は、この『ネオ・ヨキオ』という作品にも一貫していることがしっかりと感じられるはずだ。

この摩訶不思議な作品を紐解くにあたって、我々は海外のポップ・カルチャー/セレブ・カルチャーに造詣が深い辰巳JUNK氏に原稿を依頼することにした。はたしてこれは、世界的に見ても『ネオ・ヨキオ』に関するもっとも優れた論考のひとつになったばかりでなく、ヴァンパイア・ウィークエンド/エズラ・クーニグについて日本語で書かれたすべての文章のなかで、もっとも有益な論考のひとつになっているだろう。


Netflix製作アニメーション『ネオ・ヨキオ』は奇妙な作品だ。内容を説明するなら「セレブ貴族が悪霊を退治しながら道楽しつづけるシュールな物語」。ジェイデン・スミスやジュード・ロウなど、豪華キャストが出演するわりにメッセージ性も感じられない。そんな謎のアニメは、いっぽうで「トランプ時代らしい社会性」とも評されている。一体『ネオ・ヨキオ』とは何なのか……。トンチキなファッションの元ネタはリアーナ? テイラー・スウィフトが怨霊として登場する? キム・カーダシアンは自分のクローンを量産中? カニエ・ウェストの楽曲とちょっと似ている? 主人公と似た立場のセレブリティの実例に加え、クリエイターであるヴァンパイア・ウィークエンドのエズラ・クーニグの思想や音楽性も交え、この作品を紹介していきたい。

1. ファッション:リアーナとヴァンパイア・ウィークエンド


「少女時代にルイ・ヴィトン お母さんと一緒に砂の混じった芝生で」

「ベネトンみたいに カラフルな夜明けを」

(VampireWeekend『A Punk』)

「ゴシップガールのハイブリッド」とVogueに評された『ネオ・ヨキオ』には、多くのファッションブランドが登場する。主人公のカズ・カーンは都市ネオヨキオに暮らす貴族階級のエクソシストで、普段は高級ファッションに身を包んでいる。ファッショニスタの彼は、妻の墓に香水をかける見ず知らずの老人に挨拶するやいなや「その香水は時代遅れなのでやめたほうがいいですよ」などと明るく否定しだす。また、「パーティーで目立つこと」に非常に熱心で、同伴者には「1番目立つためのコーディネート」を強要する。

これらのエピソードが示唆するように、カズは表層的な人間だ。彼のファッションで重要なことは「イケてる流行」そして「目立つこと」である。そんなナンセンスな「リッチ男子」を描く『ネオ・ヨキオ』だが、実は作中のファッションネタには実例がある。

パーティー同伴者のコーディネートを思案するカズは、最終的に「ブランドバッグを2つ持てば目立つ」と結論づける。実際、作品ではパーティー参加者に「バッグを2個持ってる!?」と驚かれるのだが……このブランドバッグ2個持ちは、ファッションアイコンと名高いリアーナが実際に行なったことだ。2015年に彼女は軽装でDiorのバッグを2個持ちし、ブランドのTwitterにも紹介されている。

また、ジャケットを常用するカズが「保守的なファッション」と批判される回がある。これはクリエイターであるエズラ・クーニグ自身の実体験である。コロンビア大学で結成されたエズラのバンド、ヴァンパイア・ウィークエンドは「プレッピー(お坊ちゃま)」イメージを意識的に演じていた。彼らの保守的でリッチな白人風スタイルは、多くのアメリカの人々を怒らせ「貧乏人を搾取するスノッブなエリート主義者」とバッシングされたそうだ。同じくプレッピースタイルが目印のカズにしたって、視聴者から「傲慢な金持ちだ」と怒りを抱かれるさまは容易に想像がつく。意図的に演出された「怒りを呼ぶリッチ男子」として、ヴァンパイア・ウィークエンドと『ネオ・ヨキオ』の主人公はリンクしているのだ。

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主人公のカズ・カーン

さらに大きくいえば、『ネオ・ヨキオ』の「奇妙で曖昧なかたちの社会・文化批評性」はヴァンパイア・ウィークエンドの音楽と通じている。たとえば、ブランドやカルチャーなどの「固有名詞」を頻出させる特徴も共通する。この作風について、2008年にエズラはこのように解説している。

“人の名前やブランドの名前って、相手によっては、ものすごく喚起力があるだろ?(中略)今考えてる2ndアルバムのコンセプトが、アイデンティティの混乱なんだよね。今って、大勢の人が、“自分の好きなもの”によって、自分をアイデンティファイしてるよね? フェイスブックとか、SNSでは、自分の情報をアップする時に、自分の夢や希望について文章を書いたりしないよね? 好きな映画や好きな音楽、自分のヒーローを書き込む。つまり、好きな音楽で自分を規定する人がどんどん増えてきてるってわけ。(中略)そのことが、その人となりの多くを語れると思われてるんだ。人の名前、ブランドーーそういった固有名詞が形容詞になってるんだよね”

「snoozer 2008年10月号」より

アイデンティティの混乱——この考えは『ネオ・ヨキオ』にも活かされているようだ。

2. 評判とポップスター:テイラースウィフト


エネルギッシュな賞賛をあなたは求めていた エネルギッシュな賞賛をあなたは求めていた

(Vampire Weekend『Worship You』)

主人公カズの生きる目的は「好きな独身男性ランキング」で1位を獲ることだ。テロ事件によって「好きな独身男性ランキング」を表示するボードが破壊されたとき、彼はアイデンティティをなくし憔悴する。評判を過度に気にし、評判を生きる理由とする、そんな馬鹿らしさも風刺するようなアニメだが、現実世界に似たものがあるとすれば、それはSNSだろう。

注目度が数値化するSNSへの依存や、精神的悪影響は、世の中で頻繁に語られている。人気セレブのカズが評判を過度に気にしていたように、現実のセレブたちもSNSを通した評判には敏感だったりするようだ。昨今「SNSの評判」で栄華を極め、そして「SNSの評判」で凋落したスターといえば、テイラー・スウィフトだろう。彼女のSNSに掲載されていた「セレブたちとの素敵な友情」写真は、多くの人が目にしたことがあるのではないだろうか?

彼女ほどのスターでもSNSのライク数は気になるようで、リークされたカニエ・ウェストとの電話で「貴方のくれた花の写真は2.7億もライクがついた」と嬉しそうに語っている。皮肉なことに、SNSにリークされたこのカニエとの電話で評判をガタ落ちさせるのだが。興味深い点は、このテイラー・スウィフトをモデルにしたキャラクターが『ネオ・ヨキオ』に登場し、似通った顛末を迎えることだ。

『ネオ・ヨキオ』にはセイラー・ペルグリーノという人気女性ポップスターが登場する。彼女はネオヨキオに引っ越した数日後に州の観光大使に就任した。これは、ニューヨークに越した数ヶ月後に観光親善大使に就任して物議をかもしたテイラーのエピソードを基にしている。

ペルグリーノは複数の白人女性ポップスターをブレンドしたキャラらしく、テイラーのほかにもケイティ・ペリーの青い髪、マイリー・サイラスの南部発音がオマージュされている。それにも関わらず彼女が「テイラーにそっくり」といわれた理由は、彼女たちに共通する展開に由来している。

なんと、大衆を魅力するセイラー・ペルグリーノの正体は、ブルジョワジーを憎み階級闘争を企む恐るべき悪霊だった。「誰もが羨む完璧なスター」からは予想もつかないモンスターだったわけである。エズラによると、この回の主題は「大衆がポップスターに求めることがいかに狂っているか(見当違いか)」というメッセージなのだという。そして、作品がリリースされた2017年、テイラーもまたペルグリーノのように「モンスター」と化し、怒りの叫びとともに「大衆が求めた善良なポップスター」を破壊した。

2016年、「嘘をついてカニエ・ウェストをはめた証拠」とされる映像をリークされたテイラーは、それまで培った「善良なポップスター」評判を大きく落とした。羨望の対象であったはずの「素敵な男性スターとの恋愛事情」は「金のためのヤラセだ」と叩かれる始末に。評判を凋落させた彼女はしばらく世間から姿を消し、『ネオ・ヨキオ』リリースと同年「評判」と名付けられたアルバム『Reputation』を発表。そのリードシングル『Look What You Made Me Do』のMVでは、テイラーは墓からはいあがったゾンビと化しており、銀行強盗などやりたい放題。まさにペルグリーノと同じ「怒りの怨霊」となっているのである。

Video: TaylorSwiftVEVO/YouTube

曲中で彼女は「過去のテイラーは死んだ」と宣言し「私がこうなったのはお前たちのせいだ」と叫ぶ。旧作『Bad Blood』で「強い味方」として描かれ、大勢のファンが憧れを抱いた「素敵な親友セレブたち」は、今回「独裁者テイラーに統制される大量のマネキン」に変容。まさに『ネオ・ヨキオ』が示す、大衆がポップスターに求めることがいかに狂っているか(見当違いか)という事態である。当のテイラーは、自身が築いた評判とその崩壊について語るポエムを発表している。その詩はこう始まる——「彼女が凋落したとき彼女は粉々になった かつて彼女が舗装した道路で彼女の骨は砕けた」。そして興味深いことに、こうやって終わるのだ。

「彼女の評判が死に絶えたとき 彼女は真の生を感じていた」

テイラーにここまでいわせた元凶は、録画映像をSNSで公表したカニエの妻キム・カーダシアンなのだが、彼女もまた『ネオ・ヨキオ』的セレブリティ……それどころか『ネオ・ヨキオ』が描いた「極端な欲望」をも超える存在である。

3. セレブになりたい願望:キム・カーダシアン


君は自分の名前を口に出しさえしないだろう

「僕は僕でしかない」と言って だけど誰がそんな風に生きられる?

(Vampire Weekend『YA HEY』 )

「大衆に期待されるセレブリティ」を描いた『ネオ・ヨキオ』は、いっぽうで「セレブリティに期待する大衆」も描いている。本作には「共産主義に傾倒したカリスマファッションブロガー」、ヘレナ・セント・テソロが登場する。共産主義者となったヘレナは、それまで着用していたCHANELのスーツを脱ぎ捨て、病院着のまま上流階級のパーティーに突入する過激な活動家になった。

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主人公カズ・カーンとカリスマブロガーのヘレナ・セント・テソロ

CHANELから病院着では激変も激変なのだが、彼女の熱心なファンたちはそれを素直に模範し、病院着を着始める。「セレブのセンスが好きなファン」というより「セレブとそっくりになりたいファン」、そんな滑稽さをかもすのである。第1章で引用したエズラの言葉「好きなものによって自分をアイデンティファイする」行為の象徴的な例だ。

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セレブに憧れるファンたち(上)と黒魔術に傾倒する彼女たち(下)

「セレブとそっくりになりたい」——そんな願望は、Instagramが流行する現実世界でも活気な需要だ。それに、もしかしたら、現実のほうが『ネオ・ヨキオ』の先をいっているかもしれない。

現在、アメリカで「そっくりになりたい」願望を抱かれるセレブリティの代表はキム・カーダシアンだ。人々の「キムのそっくりになりたい」願望は一大ビジネスと化しており、キム自身もそれを商売に活用している。

まず、アメリカの美容整形産業では「なりたいセレブ」ランキングでキムが1番人気。このことを調査したWWDがいうには「キムに似ている」では不十分なのだという。「キムになる」でないといけない。「セレブのそっくりさん」より「セレブのクローン」と言ったほうがいいかもしれない。

さらに、SNSが欲望を加速させる。今のビューティー産業には「キムとそっくりになる化粧品」というジャンルが存在するのだという。特にインフルエンサーが活躍するInstagramのマーケティングで効果的であるようだ。Instagramでは複数の「キムのクローン」がスターになっている。なかでも、キムに似ているとされているインフルエンサー、ジェレーナ・ペリッチが抱えるフォロワーは約110万。この数字は伝説的バンドOasisのアカウントの約2倍で、もう少しでRadioheadに届く(もちろん更新数や投稿方針は異なるが)。

ビューティー産業のみならず、キム・カーダシアン本人もまた「自分のクローン」をビジネスに活用している。夫カニエ・ウェストによるアパレルブランドYeezyのSeason6キャンペーンで、複数名の「キムのクローン」を起用したのだ。「キムのクローン」になるには、夫の作った服を着るのが手っ取り早いというわけである。

#YeezySeason6

Kim Kardashian Westさん(@kimkardashian)がシェアした投稿 -

話題を博した「キムのクローン」広告は、NYのタイムズスクエアに掲示された。「セレブのそっくりさん」がアメリカで最も有名な広告エリアに登場する存在となった驚くべき事態である。

『ネオ・ヨキオ』では「セレブのクローンになりたがるファン」を描いたが、キム・カーダシアンはそのようなファンを積極的に活用し、ファミリー・ビジネスの拡張まで行なっている。ある種、『ネオ・ヨキオ』の皮肉よりも現実のほうが一歩先にいるのだ。消費大国アメリカのパワーを感じる話でもあるが、その経済システムは、キムの夫カニエ、そして『ネオ・ヨキオ』が批判する暗黒面もはらんでいる。

4. 資本主義批判:カニエとエズラ、またはトランプ


ああ聖者さん アメリカが君を愛してないから

ああ 母国は君を愛してない 祖国は君を愛してない だったらどうして何かを愛する?

(VampireWeekend 『YA HEY』

楽曲製作をともにしたとされるエズラ・クーニグとカニエ・ウェストには共通点がある。2人とも作品を通して経済格差を批判しているのだ。カニエは『Diamonds From Sierra Leone』において、「ラッパーが持つダイヤモンドは他国の奴隷労働によって作られていること」を「HIPHOPの最大の矛盾」だと糾弾した。

Video: KanyeWestVEVO/YouTube

アメリカの高所得者のラグジュアリー生活は経済格差によって成り立っている——同様の指摘をエズラは『ネオ・ヨキオ』で行なっているのだ。そして、これは「トランプ時代的」とも評判になったのである。では、その「トランプ時代的」とはいかなるものだろうか?

最終話、カズはネオヨキオに大きな経済格差があることを知る。彼が最高の街だと思っていたネオヨキオは、彼のような富裕層のみを手厚く保護し、貧困と治安が悪化するスラム街は放置していたのだ。

ドナルド・トランプの大統領選挙サプライズ勝利によって注目を浴びた「アメリカ国内の経済格差」。その発覚が『ネオ・ヨキオ』のオチになっているわけである。「トランプ時代的」風評の要因はそこだけではない。エスタブリッシュメントであるカズが物語で直面していた「階級闘争」も指摘できるだろう。

たとえば、完璧なポップスターに見えたセイラー・ペルグリーノはブルジョワジー転覆をくわだてる悪霊だった。カリスマファッションブロガーのヘレナは過激な共産主義者となり、最終的にホームグロウン・テロリズムを起こした。どちらも資本主義で富を得る者を打倒しようとしている。ネオヨキオの残酷な経済格差を知ったカズは「最高の都市という考えを改める」とつぶやき、テロリストの逃亡を手助けしたあと「今にもネオヨキオが爆発しそうな気がする」と不安を吐露している。

「巨大な経済格差」、「反エスタブリッシュ旋風」、「過激思想者の増加」、「ホームグロウン・テロリズム」——または「都会の無知なブルジョワジー」。これらは今日、特にトランプ当選によってより露わとなった「アメリカ社会がはらんでいる問題」だろう。だからこそ『ネオ・ヨキオ』は「トランプ時代を反映したアニメ作品」といわれるのである。

5. 日本アニメ:滅びを楽しむ街

最後に『ネオ・ヨキオ』のもうひとつの大きな特性を紹介しよう。エズラ・クーニグが制作した『ネオ・ヨキオ』は、日本のアニメーションに多くのトリビュートを捧げている。とくに話題になったオマージュは『らんま1/2』のジェンダー・スワップだろう。

ところが、エズラによると最大のトリビュートを捧げている作品は『カードキャプターさくら』などを描いたCLAMPによる漫画/アニメーション『東京BABYLON』なのだという。『東京BABYLON』は、陰陽師一族の末裔が1990年代の東京で悪霊退治の仕事を請け負っていく物語だ。実は、『ネオ・ヨキオ』の「令嬢のCHANELスーツに取り憑いた悪霊を討伐する第1話」は『東京BABYLON』とそのまま同じで、「女子高生グループが黒魔術に傾倒する回」もオマージュだろう。

『東京BABYLON』も『ネオ・ヨキオ』も、経済が豊かな都市を描いた作品だ。前者は1990年代の東京、後者は2010年代のニューヨークを模した都市を舞台にしている。両作とも、主人公が怨霊を退治するうちに街の暗部と対面していく。そして「社会問題など気にせず贅沢な消費を繰り返す都会の豊かな人々」が批判的に描かれるのだ。『東京BABYLON』では、東京をこのように語る台詞が登場する。

“—それでも僕はこの東京が大好きですがね

—どうしてですか?

—この地球でたったひとつ 滅びへの道を「楽しで」歩んでいる都市だからですよ”

滅びへの道を楽しんで歩んでいる都市——ネオヨキオも滅びへの道を歩んでいるのだろうか? 実際、ネオヨキオは、まるで今日のニューヨークのように過激思想やテロリズムにおびやかされている。残念ながら『ネオ・ヨキオ』がどのような結論を提示しているかはわからない。批評的ながら曖昧な描写をする姿勢がエズラ・クーニグの作風である。ただし、エズラ自身は「ニューヨークを愛している」と語っている。そしてこうも歌っている。


素晴らしい地球に対する信頼はすっかりなくなっちゃうのかい?

もしすべてが呪いそのもので 僕たちが悪い状況になって行くばかりだとしても

ベイビー 素晴らしい地球に対する信頼はなくなさいでおくれよ

(Vampire Weekend『California English』)

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Netflixオリジナルアニメ『ネオ・ヨキオ』全世界独占配信中
『ネオ・ヨキオ』公式ページ

Image: Netflix
Source: Pitchfork, YouTube(1, 2), Vogue, Twitter, UNIVERSAL MUSIC, Teen Vogue, WWD, Yeezy, Gigazine, Wikipedia, Instagram(1, 2

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